こんにちは、どにちです
以前の記事で、おおまかにいえば
「最高のものがスタンダードを形成する、最高のものはユーザーフレンドリーな要素を多数備えている」
といったことを書きました。
この考え方をシンプルに押し進めれば「良作の条件」とでも呼ぶべきチェックリストがどこかに存在し、それをすべて網羅することが良いものを作ることだ、という考え方になるかもしれません。
キャラゲー、ADVゲーであれば、バックログや既読スキップなどのシステムが整備されており、モブにまで立ち絵がついていたり、主要キャラクターは当然にフルボイスで目パチ口パクもしてなんなら立ち絵もぬるぬるとLive2Dで動き回る。
そうやってチェックリストを埋めていくように、良しとされている要素すべてを網羅していく……
途方もないことです。しかし、それを実際にやっている名作・人気作も確かに存在しています。
ベストを導く方法のひとつであることは間違いありません。
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また別に、よく言われる方法論として「引き算」もあります。
弱者戦略や選択と集中の考え方に近いので、むしろこちらの方が万人向けのやり方かもしれませんね。
漫画家の島本和彦先生は自著の中で
「学園モノを描きたいが自分の画力で教室なんか毎回描けない(パースとか大変なので)!」
「だったら校庭だけで完結するバトルものにしてしまえ!!」
といった逆転の発想を披露していました。
自虐ギャグとして描いていらっしゃると思うのですが、しかし目からウロコの発想です。
そうして生まれたのが独特な世界観の快作『炎の転校生』。
また、スカイクロラなどの押井守監督は『アヴァロン』という実写SF映画を撮る際、役者さんにまばたきをしないよう指示したそうです。
押井監督の話は難しいですが、『アヴァロン』自体が現実と虚構の境目とは? なテーマなのでまばたき禁止は映像自体に作りものっぽさを出すこと、非現実的/非人間的な雰囲気を出すことを狙ったものと自分は理解しています。
過去の日記でも触れた『パラノマサイト』での、ボイスが無いからこそできた仕掛け(エピソード)という事例もありますね。
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もちろん無限のリソースがあるならば、前者のチェックリスト盛り盛り方式を採りたくなるのが人情でしょう。
けれども、引き算の考え方によって生み出される妙味があることも思うと「できることだとしても、あえてやらない方がいいこと」というのも存在するのかもしれないなぁ、とふと考えたのでした。
作ろうとしているコンセプトに合っているかどうかを考えていけばそのへんはおのずと答えが出るのかもしれません。
以上、とりとめのない問わず語りでした。
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