こんにちは、どにちです。
基本ヒキコモリのkindleヘビーユーザーなので、
だいたいの買い物はAmazonで済ませてしまいます。
先日わけあって馴染みのない通販サイトさんを触ったのですが、
Amazonでは当たり前にある機能のことごとくが見当たらず、中々まごつきました。
でもよくよく考えれば、これは自分が贅沢になっているだけなんですよね。
かつてGAFAと呼ばれたような世界に冠たるサービスの一角たるAmazonが
飽くなき改善の結果、あれだけの使いやすさを充実させたのです。
他の類似サービスの大半は後追いの途上にあり、
比較すれば不足と思える箇所が多いのは半ば当然です。
でも、ユーザーとしての自分はAmazonばかり使っているから、それを基準に考えてしまう。
「Amazonレベルのサービス品質が“ふつう”であり、それに及ばないものは“ふつう未満”である」と
無意識に考えている。
……ということに気付いて、びっくりもしましたし、身の引き締まる思いでした。
ゲームでもまったく同じことが言えるからです。
◆ ◆ ◆
『シュヴァリエ・ヒストリエ』であれば、通常版のリリース直前にご要望をいただいて
本当に土壇場でWASD移動に対応させましたし、
逆に要望があったわけでもないけれど技術力がついてきたところでバックログを大幅に改善し、
「ボイスのリプレイ」機能を追加したりしました。
どちらも、コンシューマーのACTやADVでは割と当たり前に存在する機能です。
すべては、少しでも良いものにしようという思いのゆえでしたし、
先行する名作の数々がすでに行っているものを追いかければいいのだから
大変だけれど迷うことは無い、という工数のかけ方でした。
要するにそういうことが、
「最高品質のものが世間に浸透して出来上がったスタンダード(参考にしたコンシューマー)」であり、
「“ふつう”にあって欲しい機能を揃えることが、“スタンダード=最高のもの”に近づこうとする行為」だったのでしょう。
そうはいっても『シュヴァリエ・ヒストリエ』も振り返ればいろいろと反省することも多々あり、
足りていない機能もまだまだ残っているのかもしれません。
今後の制作においても、こういった気持ちを忘れずにユーザーの皆さんに親しんでいただけるものづくりに
取り組んでいければと思います。
◆ ◆ ◆
もうひとつ、思い出した似たお話。
2020年以前のインタビュー記事だったと思いますが、
FF14(FFのネトゲ)で有名なスクエニの吉田さんが次のようなことをおっしゃっていたと記憶しています。
「FF14改修の際に、ブリザード社のWoWというネトゲを参考とした」
「WoWでは、話しかけるとクエストが発生するキャラは頭の上に“!”マークが出ている」
「それは当時としては今までに無いことで、お手軽過ぎて冒険感を損なうように思えたが、遊んでみると素晴らしいものだった」
「なのでFF14でもそういったものを取り入れていって改善した。他のネトゲの数々も同様にWoWをマネていた」
おおまかにまとめるとこんな感じ。
イベント持ちキャラの頭に「!」がある!!
今の感覚からすると、どんなゲームにでもある当たり前の機能です。
というか、もう、そういう手掛かりがないゲームをどう遊べばいいかちょっと想像できません。
そんな機能も出た当時は先進的で、ちょっと反発心をおぼえる向きもあったそうですが、
現実としてよい機能なので周囲もどんどん取り入れていって当たり前になった……
つまり新しいスタンダードを形成したわけですね。
これもサービスにおけるスタンダードとは、平均値ではなく最高の個が作り上げるという事例でしょう。
手成りで適当なことをやっていてはついていけなくなる、という
おそろしい事実を突きつけるお話でもあります。引き締まるゥ~!!!
さておき、件のインタビューは他にも示唆に富んだお話がたくさんあり、とても勉強になるものでした。
興味のある方はぜひ検索してみてください。
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