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執筆者の写真どにち

satori...


基本インドア派のどにちです。


日がなモニタに向かってキーボードをカタカタやるばかりなのですが、2023年は色々とご縁がありまして何度か東京へ行ってさまざまな方とご挨拶したりお食事したりの機会があり、大変おおくの刺激を受けました。

ありがたい!



誰に何を言われるでもなく、人様に自分の考えを話すだけでも「あっ、自分ってこうなんだ」「自分ってこういう考え方をするんだ」などの自覚が進みまして……


はやい話、自分は“無”になりたいんだな、とわかりました。



無。



ジャンプの落語マンガ『あかね噺』で、巧みな芸によって落語の中の作品世界が聴衆の脳裏にありありと立ち上がることで結果として話者である落語家じしんはいっとき皆に忘れ去られて透明になる――……なくだりがありまして、

自分の言う“無”は、感覚的にはコレにけっこう近いです。


アクション下手なのに、昨年のゲーム『アーマードコア6』も滅茶苦茶楽しみました。

自分の立場からするとテキストが滅茶苦茶すごいんですが、シナリオ・テキストがいいものって、「シナリオがいい」とは言われず、「このキャラが好き! 濃かった!」みたいに言われるんだな、という気づきもあり、やはり“無”に近しい事例ととらえています。



ゲームという媒体じたいが持つ強靭なフォーマット/遊び、サークル主催フニのブッ飛んでるようでしっかり意図のある企画や発案……など、どにちにとっての“外部”に既にそういった<おもしろさ>が存在しているので、自分はそれを損なうことなく、モノの組み立てに徹したいと思うのです。


 ◆ ◆ ◆


それだとネタ出しに詰まったりしない? と訝る声も聞こえてきそうですが、これが案外こまりません。

ここはシンプルにお手伝いをお願いしているクリエイターの皆さんのおかげですね。


前作『シュヴァヒス』のときは、多くの方からアドリブ的に「頼まれてないけど、こういう副産物もできたので良ければ」と創意工夫に富んだプラスワンを頂戴することが多く、それによってドットの芝居でキャラがより生き生きしてきたり、楽曲やマップに未使用を出さないためにと演出やシーンを増やしたり……


ということが起こってきて、自分はそういうことがすごく楽しかったんですね。


複数人での制作は、やっぱりみんながそれぞれ思う<おもしろさ>を持ち寄ってくれるので、できるだけロスが出ないようにまとめあげる工程が必要になります。どにちはそこで、自分で自分の色を出すよりも、みんなのおもしろさを整理してうまくくっつけることの方に興味があるのだ、と気づいたわけです。

そのとき自分個人はあまり大事ではなく、その意味で“無”なのです。



要するにゲーム作りの交通整理、みたいな部分がすごく楽しい、というお話でした。












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